皆さん、はじめまして。
mcframe Xのプロダクトマネージャーの別役です。
本コラムでは、生産・販売・在庫・原価領域の新システムの選定に携わる方々やmcframe Xの導入に携わる方々に向けて、mcframe Xの製品コンセプトの中でも特に重要なポイントをご説明します。
本コラムの内容を、新システムの選定やmcframe Xの導入にお役立ていただければうれしく思います。
目次
カスタマイズ可能なものづくりクラウドERP
私は、mcframe Xのコンセプトを簡潔に伝える際に「カスタマイズ可能なものづくりクラウドERP」という表現をよく使用しています。
この表現は「カスタマイズ可能」と「ものづくりクラウドERP」の2つのワードから構成されています。この2つのワードを軸としてmcframe Xのコンセプトをご説明していきたいと思います。
ものづくりクラウドERP
我々は、製造業のお客様のものづくりを支えるmcframeシリーズを、四半世紀以上にわたりご提供し続けています。
昨今ではIT人材の不足、AIなどの新技術の適用や継続的な機能強化への期待を背景として、基幹システムの領域においてもSaaSを選択されるお客様が増えてきています。そのため、mcframeシリーズをSaaSとしてクラウド上でご提供するために、mcframe Xを開発しました。
mcframe Xは、現在のmcframeシリーズの主力製品であるmcframe 7のビジネスロジックをソースコードレベルで引き継いでいます。ただし、mcframe 7のシステムをそのままクラウドにリフト&シフトするのではなく、クラウド専用のシステムとして基盤を刷新した点が大きなポイントです。例えば、クラウドネイティブな認証サービスやデータベース、データ分析基盤などを採用し、信頼性や可用性、利便性を高めています。
また、ノーコード開発可能な新しいUI基盤を自社開発し、半年ごとの機能アップデートにて業務機能を順次公開しています。
さらに2024/10の製品アップデートでは、生成AIを活用したAIチャットボットのACEをリリースしました。生成AIなど変化の激しい技術を利用しながら製品がアップデートされていく点も、SaaSならではのメリットです。
「システム運用や最新技術への追随を我々が担い、継続的に機能強化を行うことで、お客様にクラウド時代の価値をお届けする」という点が、mcframe Xを構成する大きなコンセプトの一つです。
カスタマイズ可能
一般的に生産管理や販売管理の領域は、パッケージシステムの適合率が低いと言われています。こういった課題に対して、mcframeシリーズでは「フレームワークコンセプト」を提唱し自由度の高いカスタマイズ性を備えることで、生産管理や販売管理の領域において多くのお客様に導入いただいてきました。
一方、近年では、カスタマイズしたシステムの保守、および、バージョンアップの負担などを背景として、Fit To Standard志向のお客様も増えてきていると感じています。
また、mcframeシリーズを四半世紀以上にわたり提供していく中で、パッケージ標準機能も充実してきました。特にmcframe Xが開発のベースとしているmcframe 7は、対応可能な商流・物流のパターンもかなり充実しています。
こういった事情を背景に、昨今のmcframeの導入プロジェクトにおける開発内容も変わりつつあります。
業務ロジックのコアとなる部分にカスタマイズを加えるような開発は少なくなりました。利用シーンに合わせたUI開発など簡単なカスタマイズや、周辺のシステムと組み合わせるようなIF開発がメインとなっています。
ここまで、mcframe導入時のカスタマイズ内容の変化について触れてきましたが、Fit To Standardが主流となってきたためmcframe Xにカスタマイズ性が不要になったということを言いたいわけではありません。自社の強みを活かすための開発や、固有の業務ルールを画面に盛り込んで使い勝手を向上していくようなカスタマイズ性は、変わらずに必要だと考えています。
mcframe Xは標準機能のアップデートも可能としながらも一定のカスタマイズ性を備えるために、開発手法を大幅に刷新しました。業務機能だけでなく、Developer Platformというブラウザ上でノーコード開発を可能とするシステムも、SaaSとして提供しています。
Developer Platformでは、標準画面に対して項目やチェック処理など自社固有のルールをノーコードで追加できます。また、ちょっとした周辺システムの開発のために、画面やテーブルの追加も可能です。標準機能のWebAPIやアドオンしたWebAPIを利用して、外部システムやツールと連携することもできます。
このように、よくあるカスタマイズ要件を定型化しブラウザ上でノーコード開発を可能にすることで、SaaSならではのスピード感で導入を進めることを可能としました。
「システムを使ってカスタマイズを定型化し、ノーコード(設定)での開発を可能とする」という点は、アップデートとカスタマイズを両立するための大事なポイントです。システムを使った設定ベースの開発手法を採用することで、アップデートの影響が大きくなるようなカスタマイズを禁止するような統制が実現できます。また、カスタマイズ箇所をデジタルに把握できるようになるため、保守の負荷も軽減できます。
「ノーコード開発可能なシステムによってカスタマイズを統制し、カスタマイズとアップデートを両立することで、業務や時代に追随し続ける」という点も、mcframe Xの重要なコンセプトです。
まとめ
本コラムでは、「カスタマイズ可能」と「ものづくりクラウドERP」の2つのワードからmcframe Xのコンセプトをご説明しました。
「ものづくりクラウドERP」というワードからは、以下のようなご説明をしました。
- 製造業のお客様のものづくりを支えてきたmcframeシリーズの業務機能を継承した、基幹システムのSaaSである
- クラウドの技術をフルに活用し、信頼性や可用性、利便性を高めている
- SaaSとして最新の技術も取り入れながら、製品を継続的にアップデートしていく
また、「カスタマイズ可能」というワードからは、以下のようなご説明をしました。
- 開発する内容に移り変わりはあれど、一定のカスタマイズ性が必要だと考えている
- ブラウザでノーコード開発可能なDeveloper Platformも提供し、SaaSならではのスピード感をもった導入を可能としている
- システムを利用してノーコード開発することでカスタマイズを統制し、アップデートとカスタマイズの両立を実現する
本コラムでは、mcframe Xの製品コンセプトの中でも特に重要なポイントに絞ってご説明しました。mcframe Xには具体的にどのような機能があり、どういったカスタマイズが可能なのかの詳細が気になる方もいらっしゃるかと思います。もう少し具体的な説明はまたの機会にご説明できればと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。
執筆者
別役 雅洋
mcframe X プロダクトマネージャー
2006年、ビジネスエンジニアリングに新卒入社。
入社以来15年以上にわたり、商品開発エンジニアとして従事。
歴代のmcframe生産管理の製品開発に参画し、保守・導入
プロジェクトで課題が発生した際には最前線で支援。
mcXには製品構想・企画段階から携わり、クラウド時代に
相応しいプロダクトを育てるべく、開発をリードしている。
趣味は、将棋(観る将)、飲み会、子供と遊ぶこと。